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枠 [カメラ]

2014012101.jpg
(FUJIFILM X100s / adobe Lightroom5.3)

 

 

 

この写真を撮ったカメラもそうだが、所謂、レンジファインダー(RF)風なカメラのファインダーには
ブライトフレームという枠が浮いている。(ように見える)
対して、一眼レフ(SR)風なカメラのファインダーには枠は見えない。

私は、カメラを持って街をブラブラしながらスナップする散歩写真、街撮りが好きだ。
街撮りには、SRよりもRFの方がしっくりくる。
SRはRFに比べて大きく、重いのも理由の一つだと思うけども、ファインダー像の中にあるフレーム
を見てフレーミングする時に同時に見えるフレームの外との関係性が最大の理由ではないか、と
勝手に解釈している。
SRのファインダーは世界を切り取る。
周囲との関係までも切り取ってしまうような、そんな写真が出来上がる。
少なくとも私はそうだった。
まだSRしか知らない学生時代、「お前の写真にはキレはあるけどコクがない。」と評された。
「冷たい写真」とも言われた。
そりゃそうだ、広い世界から自分の世界をビシバシ切り取っていた。
そういう撮り方だったし、そういう写真が好きだった。

私にとって初めてのRF(風)カメラは、KONICA HEXAR(シルバー)だった。
和製SUMMICRONと言われる名玉、HEXAR35mm f2.0搭載機でコンパクトカメラとは思えない
写り映えだった。
しかし、ブライトフレームには戸惑いを覚えた。
SRでビシバシ世界を切り取っていた自分にはRFのファインダーはあまりにもアバウトすぎた。
でも新しい視界も楽しい。
それから、SRの方は学生時代からのものをずっと使っていたのに、HEXARのあとminolta CLE、
LEICA M6TTLと買い替えてきた。
そして、私にとって、RFは街撮りには無くてはならない存在となった。
それと共に自分の写真が変わってきた。
キレがなくなり、キレもコクもない凡庸な写真になった。
でも、そんな今の作風を気に入っている。

 

今の私にとっての、街撮りにベストなカメラはフレームの内外を見渡せる、ブライトフレームを持つ
光学ファインダー(OVF)のカメラだ。
ブライトフレームを持たない電子ファインダー(EVF)では見える世界はSRと変わらない。
たとえモッコリなペンタ部がなくて、接眼部がボディの端っこに有ろうとも、EVFのカメラでは世界を
冷たく切り取ってしまうような気がする。

ちょっと怖かったりするのだった。

 

 

 


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コメント 2

寂光

おはようございます。
SRとRFのはなし、
興味深く読ませて頂きました。
ファイル時代、
あこがれていたRFのライカ、
ついに手にする事ができませんでした。
SRでも100%ファインダーでないと、
切り取りが上手く行きませんでしたが、
メイン機種が100%ファインダーではなく、
ここは、というときに数カット撮っていました。
by 寂光 (2014-01-22 08:04) 

icarus

>寂光さん
ファインダーって撮るときの気持ちにも、撮られた写真にも影響する大切な要素ですね。
by icarus (2014-01-23 23:53) 

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